第149章 壁を壊す

九条綾の眉間がぴくりと引きつった。彼女はコップを置くと、こう言った。

「おばさん、ちょっと光を見てて。外を見てくるから」

九条綾は入り口にかけてあった上着を羽織り、庭へと出た。

この辺りの邸宅は独立した一戸建てではなく、テラスハウス形式の連棟住宅だ。

そのため、隣家の物音が特によく響くのだ。

九条綾が様子を見に行こうとした矢先、突然、自宅の壁にドガンと大きな穴が開けられた。

驚きのあまり数歩後ずさり、呆気にとられた九条綾だったが、すぐに我に返って慌てて制止に入った。

「ちょっと、何してるんですか?」

作業員は九条綾を見ると、軽く会釈をした。

「どうも、内装業者です。お騒がせ...

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