第197章 昔の出来事

二人の間に、重苦しい沈黙が流れる……。

九条綾はこの話題を早々に切り上げたかったが、ここまで話が進んでしまった以上、何も知らないふりをするのは不可能だった。

「それで、今はもう完治したの?」

西園寺蓮は彼女を見つめ、頷いた。

「ああ、完治した」

「どうやって?」

「お前のおかげだ」

「私?」

「言ったはずだ。お前を一目見た瞬間から興味を抱いたと。それは俺自身でさえ抑えきれないほど、蠢くような衝動だった。感情が欠落した人間に、欲望の追求などあると思うか?」

九条綾は少し意外そうに彼を見た。彼にこれまで女性関係の噂が皆無だったのは、女性に対して欲望も感覚もなかったからだというの...

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