第14章:エマは彼を裏切った

三人称視点

クラウスは療養院の個室のドアを押し開けた。

ナンシーはベッドの上に弱々しく横たわっていた。

顔色は紙のように青白く、起き上がろうとしては苦しげに身体を支えている。

「クラウス……来てくれたのね」声はかすれていた。

クラウスの胸に、ふいに罪悪感が刺さった。

療養院に彼女をひとり残すべきではなかったのかもしれない。

ナンシーの容体はまったく良くなっていない。いや、むしろ悪化しているように見えた。

彼はすぐさま近寄り、支えようと手を伸ばした。

ナンシーはヘッドボードにもたれ、瞳に涙をきらめかせる。

「来てくれるって、信じてた」

「具合が悪いって...

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