第155章間違った場所にある暖かさ

三人称視点

ベラは、ぼろぼろの三輪車を走らせ、ぬかるんだ裏道を泥を跳ね上げながら家へ戻っていた。荷台では空の木箱ががたがたと音を立てている。

「よりによって、遅い配達の夜に限って雨とかさ」彼女はぶつぶつ言いながら、顔に張りつく水をぬぐい、エンジンをふかした。

そのとき、頭上の幹線道路で何かが爆ぜた。

巨大な影がガードレールを突き破り、岩や土を引きずりながら落下し、五十メートルも離れていない木立の縁へと叩きつけられた。

キィィッ――。

ベラは急ブレーキを踏み込んだ。三輪車は泥の上を横滑りし、ようやく止まる。

車だ。完全に潰れている。ボンネットは原形をとどめないほ...

ログインして続きを読む