第181章ハンターとベイト

三人称視点

「移送」という言葉は、凪いだ水面に石を落としたときのように、エマの胸にずしりと沈んだ。

クラウスは二歩も歩けば、残っている力を根こそぎ燃やし尽くしてしまう。長距離の移動など、彼を壊すだけだ。

だが、ここに留まれば格好の的になる。グレイソンが次の部隊をいつ送り込んでくるか、誰にもわからない。

室内の空気が重く沈んだ。

スティーブンはベッドの足元に立ったまま、ネクタイを乱暴に引きほどいた。声は鋭く、切迫している。

「外周の警戒線が崩れた。グレイソンの連中が逮捕状を持って踏み込んで、最上階まで上がってきた。下の警備じゃ止められなかった」

彼は一歩近づく。

「移送の計画が必要だ。...

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