第202章エマージェンシー・パッセージ

三人称視点

スティーヴンは別の襲撃者の腹に膝を叩き込み、耳の通信機を押した。

「奴らは中にいる」

声は低く、落ち着いていた。

「最上階を守れ。誰もあの部屋に近づけるな」

――

廊下の先、その部屋の中。

アンドリューは扉のそばに立ち、外の戦闘音に耳を澄ませていた。

分厚い木の扉に数秒間耳を押し当てる。足音と激突音は、確実にこちらへ近づいてきていた。スティーヴンの部下たちは押し返されつつある。

彼はエマを振り向いた。

「この部屋を狙って来る」

エマはクラウスから手を離し、扉のほうへ歩み寄った。鍵をひねり、閂を落とすと、そのまま壁際へ移動し、残っていた明かりをすべて消した。部屋はたちま...

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