第52話ミッドナイトトラップ

クラウス視点

闇市の外れ、打ち捨てられた路地に夜風が吹き抜けた。鼻を刺すのは、まだ残る血の匂いだ。

俺は、ソーンが襲撃された場所に立っていた。

足元には乾ききっていない血溜まりがあり、地面にはぞっとするようなタイヤの引きずり痕がいく筋も刻まれている。

「アルファ」

スティーブンがしゃがみ込み、深い轍の上を指でなぞった。表情は険しい。

「深い上に、トレッドの癖がはっきりしてます。軍用規格の防爆タイヤです。この組み合わせは、たいてい大きな群れのガンマ護衛部隊しか使いません」

ガンマ護衛だと? こんな場所で、ただ箱を奪うためだけに、誰がガンマ部隊まで動かす。

俺もしゃがみ込み、血の染みの近...

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