第78話絶対強制はしない

第三者視点

暗闇の中、クラウスの濃密なフェロモンがたちまちエマを包み込んだ。

こんなにも近くで彼と向き合うのは、あまりに久しぶりだった。

不意に奪われたその口づけは、抗いようのない略奪の熱を帯び、エマの思考を真っ白にした。

見慣れているはずなのにどこか異質なその感覚に、彼女は完全に呆然としていた。

身体はこわばり、されるがままに口づけられ、触れられ、一瞬、抵抗することさえ忘れてしまう。

薬の影響で、クラウスのエマへの執着は何倍にも膨れ上がっていた。

彼は狂ったように彼女の香りをむさぼる。

エマのドレスの肩紐を乱暴に引き下ろし、焼けつくように熱い手のひらで胸を覆った。

その瞬間、ぞくりとした...

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