第159章

話しているうちに、羽鳥業成の車の前に着いた。伊井瀬奈が離婚するとも言わないのを聞いて、彼は躊躇い、すぐにはそのアルバムを取り出さなかった。

伊井瀬奈は彼が動かないのを見て、再び口を開いた。

「先にお母さんのアルバムをちょうだい」

羽鳥業成は腰に手を当ててその場から動かない。

「先に奴と離婚するかどうか言え。お前の母さんはもういないんだ、俺がお前の面倒を見なければならん。お前が泥沼に足を取られているのを見て見ぬふりなどできん。明日、一緒に奴と離婚手続きをしに行くぞ、いいな? 父さんを信じろ、必ず奴よりいい男を見つけてやるから!」

伊井瀬奈は、良い言葉を並べて離婚を説得してくるこの男を...

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