第187章 見合いはもうやめにしない?

伊井瀬奈は仲介業者が連れてきた少女へのレッスンを終えると、すぐさま準備中の新作に取り掛かった。それに没頭するあまり時間を忘れ、そのまま机に突っ伏して眠り込んでしまった。

黒川颯が帰宅した頃、いくらドアをノックしても応答はなく、電話をかけても誰も出ない。

彼はドアの外で数分間、為すすべもなく待っていたが、試しにドアロックの暗証番号を入力してみることにした。まず彼女の誕生日を入力したが、エラーが表示される。次に自分の誕生日を試しても、やはり駄目だった。彼らの結婚記念日に変えてみると、カチャリと音を立ててロックが解除された。

彼は神谷竜也を追い払い、長い脚で中へ踏み入れると、まず足元の靴を蹴...

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