第225章 ハッカーF

黒川颯は先ほどの画面に戻り、再び答えを入力した。

一番好きな女性:伊井瀬奈。

一番好きな女性の好物:海老。

一番好きな女性が得意なこと:ジュエリー収集。

エンターキーを押すと、またしてもあの忌々しい顔文字が飛び出してきた。

『おめでとうございます、正解はゼロ問です。チャンスはあと一回。べーっだ』

黒川颯は椅子に深くもたれかかり、怒りで口もききたくなくなった。太陽は西に傾き、すでに退社時刻を過ぎている。会社の全社員がビルに閉じ込められ、出られない状況に、不満の声が上がり始めていた。

退社して子供を迎えに行かなければならない社員もいれば、約束がある社員、顧客とのアポイントがある同僚...

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