第246章

神谷竜也は別にアイドルの追っかけではなかったが、彼にはアイドルオタクの婚約者がいた。

その婚約者から、ここ半年でブレイクした、清純派という触れ込みで無数のファンを獲得した女優のことを教えてもらったのだ。

今のこの状況は、まさしくイメージ崩壊そのものだった。

須永纱依は黒川颯の一喝に怯え、それ以上前に進めず、裸足のまま床に立ち、つま先で所在なげに床を掻いていた。

神谷竜也はソファへ向かい、黒川颯が引きちぎったネクタイを拾うと、黒川颯の後を追って部屋を出た。二人がエレベーターから降りた途端、黒川颯の胃が激しく逆巻き、夕食に食べたものをすべて吐き出してしまった。

元々、黒川颯が無理に付き...

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