第300章

伊井瀬奈の今日の任務は、コンペに出すための初稿を描き上げること、それから子守りだ。

もっとも、伊井瀧は特に彼女が面倒を見る必要もない。あの子の遊び道具は奇妙奇天烈で、ついていけないことのほうが多かった。

彼女が伊井瀧に朝食を食べさせ終わると、宅配業者がチャイムを鳴らした。

ドアを開けると、そこには大きな段ボール箱が一つ。何か買った覚えはないのに、と訝しみながら箱に貼られた宛名を見ると、なんと受取人は伊井瀧だった。

「瀧ちゃん、何か買ったの? あなたの荷物がこんなに大きい箱で届いてるわよ」

伊井瀧はタブレットで数独のミニゲームに興じていたが、ママが荷物だと言うのを聞いて、慌てて飛び出...

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