第301章

 黒川颯は心の中で毒づいた。一体どこの誰が裏で他人のシステムをハッキングしておいて、今更どの口で俺を小者呼ばわりするのか。小者なのは一体どちらの方だ?

「伊井社長、それは言い過ぎです。私はただ政府の代理として監督を行い、我々の都市の調和を維持しているに過ぎません。違法建築の危険に晒され、最終的に傷つくのは一般市民です。伊井社長もご自身の利益ばかりを追求し、他人の生死を無視するわけにはいかないでしょう」

 伊井真は呆れて笑うしかなかった。

「黒川社長の言い方では、まるで私が何か天理に背くようなことをしたみたいじゃないですか。私、伊井真は自分がどれほど善人であるかなんて主張するつもりはあり...

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