第312章

伊井瀬奈と陸上睦月は声に驚いて一瞬固まった。すると、聞き慣れた声が耳に届く。

「孔雀か、あんたは。会う人会う人に自分が綺麗か聞いて回るのか?」

「やだ、前の奥さんにもそんな風に話してたの? あなたたち二人とも、なんだか退屈そう。昔はどうやって過ごしてたのかしら。まさかベッドの上でも会話なしで、いきなり本番だったりして?」

「他人のプライバシーを探るのがそんなに好きなら、記者にでもなったらどうだ!」

「あら、黒川社長は『お兄ちゃん』って呼ばれるの、お嫌い? 私の呼び方が下手だった? お姉さん系がお好みじゃないなら、ロリ声も出せるわよ」

「あんた、頭おかしいのか?」

階段のドアの向こ...

ログインして続きを読む