第321章

彼女が壇上に上がると、会場から拍手が沸き起こった。誰かが歓声を上げる。

「羽鳥社長、会社の福利厚生について何か上げてくれるんですかね?」

羽鳥業成というあのドケチは、従業員に対して常に厳しく、会社の制度はことごとく給料と連動していた。

一分の遅刻で罰金、一分の早退で罰金、デスクでの飲食で罰金、勤務時間中に持ち場を離れても罰金。従業員の給料をすべて差し引いて、逆に金を払わせたいとでも言わんばかりだ。

会社の従業員たちは苦しくてたまらない。ここ二年ほど各業界が不景気で仕事探しが難しく、生活のプレッシャーが大きくなければ、とっくに辞表を叩きつけていただろう。

ようやく新しいリーダーが就任...

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