第324章

客席で一部始終を聞いていた黒川織江は、とうとう親友がこいつらにいじめられるのを見かねて、我慢できなくなった。

彼女はスカートの裾を持ち上げて前へ駆け寄り、怒鳴りつけた。

「あんたたち、見る目がないわね、この老いぼれたちは! 羽鳥汐里が誰だか知ってるの? 私の義姉さんよ。私たち黒川家の人間なの。こんなに彼女を追い詰めて、兄さんが後でただじゃおかないって分かってるわけ?」

黒川織江は普段から派手な立ち居振る舞いで知られており、この界隈で彼女を知らない者などいない。なんといっても黒川家のお嬢様なのだ。誰が彼女に逆らえようか。

彼女が羽鳥汐里を義姉さんと呼んだことについては、皆、半信半疑だっ...

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