第364章

黒川颯は力なく溜息をついた。

「森下さん、これらの物は、いくつか必要なものだけ残して、あとは山を下りる時に全部持って帰ってもらえませんか?」

森下さんの目は二人の小さな子供に釘付けになり、キラキラと輝いていた。あまりにも可愛すぎるではないか。思わず駆け寄って、そのぷにぷにの小さな頬をつねりたくなる。

「森下さん?」

黒川颯がもう一度呼びかけると、森下さんはようやく我に返った。

「若様、黒川の大旦那様から、これらは全てお届けしなければならないと申し付かっております。一つたりとも欠かすわけにはまいりません。どうか私を困らせないでください」

彼は口には出さなかったが、黒川の大旦那様から...

ログインして続きを読む