第370章

伊井瀬奈は一気にたいらげ、黒川颯はテーブルの後片付けをした。空き箱をすべて袋に詰め、家を出る間際に尋ねる。

「夕飯は何がいい?」

伊井瀬奈は苦笑した。

「夕飯なんて、まだ食べる必要があるかしら?」

食事時でもないのに、こんなに食べさせられては、もうご飯なんて入らない。

黒川颯は眉をぴくりと上げた。

「じゃあ、粥でも炊いて、さっぱりしたおかずをいくつか作るか」

大きい方は腹を満たしたが、子供二人はまだ食事が必要だ。飼育員である彼は、怠けるわけにはいかない。

伊井瀬奈は彼にこうもてあそばれて、気分がずいぶん晴れた。スリッパを履いて床に降り、バルコニーの窓を開けると、夕方のそよ風が...

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