第386章

黒川織江は自分が悪いと知っていたし、これだけ多くの人に責められては弁解のしようもなく、ただ赤く腫れ上がった片頬を押さえて首を横に振るばかりだった。

雰囲気が膠着する中、少し離れた診察室のドアが開いた。

「織江、終わったわ。帰りましょう」

清らかで柔らかな声が、その場にいた全員の視線を惹きつけた。ゆったりとした木綿のロングワンピースを着た羽鳥汐里が、検査結果の用紙を手に診察室から出てきて、黒川颯の姿を認めるとその場に立ち尽くした。

黒川颯はすべてを理解した。この愚かな妹は、羽鳥汐里の妊婦検診に付き添っていたのだ。二人は順番を割り込み、他の妊婦と揉め事を起こし、黒川織江が友人のために出し...

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