第393章

黒川の爺さんは少し黙り込んだ。

「昔ならいいが、わしはお前たち若い者と一緒には住みたくない。不便だからの」

黒川颯は、また邪険にされたなと内心で感じた。

「爺さん、不便なことなんてないよ。休憩時間中に騒音で爺さんを邪魔したりは絶対にしないし、他に何かある?」

黒川の爺さんは電話を片手に、口の端を上げた。彼の言う不便とは、自分のことではなかった。若い彼らが不便だろうと案じていたのだ。

自分の孫がようやく嫁さんを追いかけて連れ戻したのだ。若い二人が睦み合うにはプライベートな空間が必要で、自分がその邪魔者になるつもりはなかった。

「わしは行かん。お前が新しい家を買ったら、その時に考えて...

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