第395章

伊井瀬奈は部屋に入ると、社長椅子を引き出して腰掛け、静かに彼女の話に耳を傾けた。

中島玲那はこの数年でずいぶんとやつれ、四年前に見せた溌剌とした雰囲気はもはやなく、さながら歳月に磨り減らされた中年といった様子だった。彼女は額にかかる髪をかき上げてから、話を続けた。

「黒川グループは社員への待遇が良いことで有名ですけど、あなたに関わることになると、黒川社長のやり方はとても……」

そこまで言うと、彼女は言葉を切り、しばし思い出に浸った。

「苛烈でした」

中島玲那は苛烈という二文字で、あの年の黒川グループの大規模な人員整理を表現した。

「実はデザイン部だけじゃなく、他の部署でもあなたの...

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