第396章

黒川颯はこの機に乗じて手柄を立てようとした。

「褒め言葉はそれだけか?」

「それ以外に何だっていうの。何かご褒美をあげたくても、あなたはいないじゃない」

 黒川颯は彼女のそばに瞬間移動したくなった。この女が自分にどんなご褒美をくれるのか、見てみたくてたまらない。口では威勢のいいことを言っているが、せいぜいキスくらいだろう。

「瀬奈、あと二日だ」

 彼はこの一日、食事と睡眠以外はずっと手元の仕事を加速させて片付けていた。いますぐにでもそれらを終わらせて、彼女の元へ飛んでいきたいと願うほどに。

 伊井瀬奈は画面越しにからかった。

「黒川社長、そんなに急がなくても大丈夫ですよ。飛行機...

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