第407章

今日の「カルマ」は、いつになく賑やかだった。誰も仕事になど手がつかず、社内全体が受賞の喜びに浸っていたのだ。

受賞者リストが公表され、社員たちは初めて自分たちのボスである「伊井安奈」に、もう一つの名前があることを知った。

「伊井瀬奈」。それが彼女のもう一つの顔だった。

誰かがすぐさま数年前のニュースを掘り起こし、伊井瀬奈と「莉々」を結びつけたことで、全員が度肝を抜かれた。自分たちが人生の目標として崇めていた女神が、まさか目の前にいたなんて。

皆は興奮のあまり、ボスの耳に入ることも気にせず口々に騒ぎ立てる。

「夢でも見てるのかしら。安奈さんが瀬奈さんで、瀬奈さんが莉々だなんて……。安...

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