第414章

「黒川社長、そろそろ行きませんか? これ以上ここにいたら、あなたが我慢できなくなるかも」

伊井瀬奈は彼をからかうように、その逞しい胸板にわざとらしく手を添えた。どこが「我慢できない」のか、言葉にするまでもなかった。

黒川颯の喉仏がごくりと動く。視線はその白く滑らかな手に釘付けになり、脳裏には昨日のバスルームでの光景がフラッシュバックしていた。

間違いなく、彼はその快楽に溺れかけている。

「瀬奈……」

彼はその悪戯な手を掴んで唇を寄せ、次いで自身の腹筋へと押し当てた。そのまま筋肉の筋に沿うように、彼女の手を滑らせていく。

指先から伝わる彼の体温は、火傷しそうなほど熱い。伊井瀬奈の指...

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