第416章

「さあ、乗れ」

 家族全員が車に乗り込むと、車内には軽快な音楽が流れた。

 黒川颯はまず自宅近くのスーパーに車を走らせ、野菜や肉などの食材を買い込んだ。

 今回は家政婦を連れてきていない。S市にいた頃のように、自分たちで食事を作る必要があるのだ。

 黒川の祖父は口では「世話など不要だ、飯くらい自分で作れる」と言っていたが、今朝エプロン姿で厨房から麺料理を運んできた時の、あの安堵と誇らしさに満ちた表情は嘘をつけない。

 黒川颯は、本格的に忙しくなる前のこの数日間を利用して、今のうちに親孝行をしておこうと考えたのだ。

 家族四人が大小様々な袋を抱えてチャイムを鳴らした時、黒川の祖父は...

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