第423章

伊井瀬奈は黒川颯の傍らで過ごした数年間、彼が会社を経営する手腕を間近で見てきた。だからこそ知っている。この広告宣伝費は、決して出し惜しみしてはならないものだと。

陸上睦月は片眉をピクリと上げた。脳内で自社が抱える売れっ子たちを検索する。確かに最近勢いのあるタレントはいるし、ファン数も膨大だ。それも、女性ファンばかりの。

ジュエリーのイメージキャラクターとしては、これ以上ないほどうってつけだ。

「『鳳川光成』なんてどうかな?」

伊井瀬奈もその名には聞き覚えがあった。男性アイドルグループでデビューし、その端正なルックスを武器に俳優業へ進出。主演ドラマが二作連続で大ヒットを記録した、今をと...

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