第427章

事ここに至った諸悪の根源は伊井瀬奈にある。陶山莉緒はそう信じて疑わなかった。

かつて彼女が「黒川奥様」と呼ばれていた頃から、黒川織江との折り合いは悪かった。今回の件にしても、彼女の心の狭さが招いたことだ。この機に乗じて報復し、息子の黒川颯が助け舟を出すのを阻んでいるに違いない。

ビジネスパートナーたちは皆、黒川颯の顔色を窺って動く。黒川颯自身が動かない案件に、彼らが軽挙妄動するはずもないのだ。

「伊井瀬奈、なんとか言ったらどうなの! こんな所に会社を作って、私の息子をS市に唆して、一体どういうつもり? まさか黒川グループのコネを当てにしてるんじゃないでしょうね? 言っておくけど、夢を見...

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