第436章

「この番号、ずっと料金を払っていたんですか?」

 黒川颯は「ああ」と短く応じた。朝、オフィスに到着したばかりの彼の鞄から着信音が鳴り響いたのだ。普段なら、この端末にかかってきた電話に出ることはない。

 だが、ディスプレイに表示されたのが心に刻み込まれた番号であるのを見て、思わず通話ボタンを押してしまったのだ。

「お前の以前の携帯は俺が持っている。修理に出したんだ。外装の塗装が少し剥げている以外は、画面も交換したし、他には壊れているところはない」

 彼は正直に告げた。隠し立てするつもりはなかった。

 伊井瀬奈は息を呑み、四年前の出来事を脳裏に蘇らせる。

「その中に入っていたデータは...

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