第439章

伊井瀬奈は小さく喘ぎながら肺を酸素で満たし、長く息を吐き出した。そうでもしなければ、窒息してしまいそうだったからだ。

しばらくして、彼女は彼の胸に顔を埋め、小声で呟いた。

「昼間に月ちゃんに言っておいたから……あの子、もう寝てるはずよ。私のことは待ってないわ」

伊井瀬奈は彼の問いに正面からは答えなかったが、黒川颯はその意味を即座に理解した。

拒絶しないということは、受け入れたということだ。

月ちゃんが寝ているなら、今夜の彼女の時間は自由だということになる。

黒川颯は彼女の顔を包み込み、親指で目尻を優しく撫でた。

そして頭を下げ、その唇を吸うように口付けた。

どれほどの時間、口...

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