第442章

伊井瀬奈はインタビューを終えるとすぐに仕事に戻った。午後はJ市の企業とリモート会議があり、今日のスケジュールは分刻みで埋まっていた。

会議が終わってようやく、黒川颯からのメッセージに気づいた。

彼女は窓辺に立ち、向かいのビルに目をやったが、見えるのはガラスの反射だけだ。少し前までは、彼が窓際で電話している姿が見えたはずなのに。

あのろくでなし、一体いつの間にマジックミラーに張り替えたのか。今にして思えば、最初から下心があったに違いない。

伊井瀬奈は数分ほど窓辺で佇み、一日中働いて凝り固まった体を軽くほぐした。すると電話が鳴った。噂をすれば影だ。

通話ボタンを押すと、黒川颯の磁力を帯...

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