第443章

「瀬奈、仕事は終わったのか? まだ飯は食ってないだろう?」

「お祖父様。ええ、二人ともあがったばかりです」

 黒川の祖父は笑みを浮かべて言った。

「二人の会社が隣同士というのはいいもんだな。颯が選んだオフィスは正解だった。昼も一緒に食えるし、夜もこうして一緒に帰って来られる」

 黒川颯は我が物顔で冷蔵庫へ向かうと、様々な食材を次々と取り出していく。黒川の祖父は、この孫が自分の家の冷蔵庫を空っぽにする勢いで食材を持ち出し、嫁を連れて二階へ上がっていくのを、ただ呆気にとられて見送った。

(このろくでなしめ、今はもう嫁のことしか頭にないのか!)

 キッチンに食材を運び込んだ黒川颯は、念...

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