第448章

彼はベッドを飛び降りて救急箱を取ってくると、彼女の脇の下に体温計を挟み込んだ。時間を計ってから取り出してみれば、表示は三十九度一分。

決して低い熱ではない。

彼は慌てて鳥川先生に電話をかけた。

「鳥川先生、三十九度一分だ。喉の痛み、声枯れ、倦怠感に食欲不振。悪いが今すぐ来てくれ」

電話口では状況を正確に説明しきれない。やはり鳥川先生に直接診てもらうのが確実だ。

「黒川社長、家に解熱剤はありますか? まずはイブを飲ませてください。すぐに向かいます」

「鳥川先生、場所は錦園だ」

「承知しました」

通話を切ると、黒川颯は急いで救急箱からイブを探し出した。錠剤を一つ押し出して伊井瀬奈...

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