第472章

二人の子供が完全に寝静まるのを待って、伊井瀬奈はスマートフォンを手に取り、未読の通知を確認した。黒川颯からのメッセージだった。

LIMEを開くと、まず目に飛び込んできたのは一枚の写真だ。

そこには、仕立ての良さがひと目でわかるスーツを身に纏った黒川颯の姿があった。彼が最も気に入っているオーダーメイドブランドのものだが、そのスーツは真新しく、彼にしては珍しい銀鼠色をしている。その柔らかな色合いが、彼が本来持っている鋭さを和らげ、優しげな印象を与えていた。

写真の下には、短いメッセージが添えられている。

『淡い色のスーツ、お前が好むやつだ。明日の入学式、これでいいか?』

そういえば以前...

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