第473章

校長が一通りの話を終えた後、高らかに宣言した。

「では、保護者代表として黒川さんにお話を頂戴したいと思います」

校長の視線が人波へと向けられる。参列者全員がその視線を追い、やがてそれは黒川颯の姿で止まった。

その時になってようやく、伊井瀬奈は事態を飲み込めた。校長が言っていた保護者代表とは、まさに黒川颯のことだったのだ。

黒川颯は伊井瀬奈と一瞬だけ視線を交わすと、説明する間もなく大股で壇上へと上がっていった。

保護者たちの視線が彼を追って演台へ向かう。マイクを通し、黒川颯の磁力を帯びた美声がゆったりと流れ出した。

「校長先生、諸先生方、保護者の皆様、そして子供たち、こんにちは。伊...

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