第488章

「飯塚先生。母の墓参りに行かれたということは、まだ少しは良心が残っているということでしょう。この数十年、不安で仕方なかったのではないですか? さあ、あの時のことをすべて私に話してください。母のためにも。そうでなければ、母は死んでも死にきれません」

 飯塚文桜の心臓が早鐘を打った。恐怖で顔色が白く染まる。最近、悪夢にうなされる日々が続いていた彼女は、J市に戻り墓参りをすることで、死者に許しを請い、自らの心の安寧を得ようとしていたのだ。

 目の前に立つ若い女性の目元は、かつての記憶と重なる。飯塚文桜は言葉を失った。彼女こそが、あの日自分が取り上げた双子の片割れなのだと直感したからだ。

「飯...

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