第5章

一週間が経ち、私はようやく退院の日を迎えた。

医師は順調に回復していると言いながらも、さらなる安静を勧めた。だが、絵里が設計したあの邸宅に戻る気にはなれなかった。あんな場所で、これ以上一秒たりとも過ごすことなど耐えられなかったからだ。

私はなけなしの貯金をはたいて、都心に小さなアパートを借りた。

狭めのワンルーム。天井まで届くような開放的な窓もなければ、細部まで計算され尽くした意匠もない。でも、ここは間違いなく、私だけの居場所だった。

深夜、この質素な部屋でパソコンに向かう私の青白い顔を、モニターの光だけが照らし出していた。あの子を失ってから一週間が経つ。この間、私は涙も流...

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