第105章 マイクが狂った

スローン視点

案の定、次の瞬間。彼は手にしていた、きっちり畳まれたシャツをスーツケースへ放り戻し、長い脚で私の前まで歩み寄ってきた。まとわりつくような低い圧に、息が詰まりそうになる。

「ダメだ」

見下ろす視線は冷たく、口調は命令そのもの。

「俺は許さない」

あまりに唐突な強引さに、私は一瞬きょとんとして――すぐに我に返った。露骨に「不機嫌」と書いてあるその顔が、なんだか可笑しくて。

言い返す代わりに、私は指先を伸ばし、彼の張り詰めた胸板をつん、と軽く突く。顔を上げ、わざとゆっくりと言った。

「なに、モントクレアさん。また嫉妬?」

からかいが刺さったのか、彼の表情はさらに険しく...

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