第112章 再びハリソンに遭遇する

スローン視点

今日の講義もそろそろ終わりだろう――そう気を抜きかけた、そのとき。

救急科から内線が入った。搬送された患者の容体が急変し、脳神経外科の緊急コンサルトが必要だという。

「行くぞ。見に行こう」

電話を切ったブランドン教授は、今にも飛び出しそうな私をちらりと見て、指導医としての顔に戻った。

「理屈をいくら詰め込んでも、実際の臨床経験には敵わない。現場で覚えろ」

「はい」

私はすぐに後を追い、教授と並んで救急病棟へ駆けた。

病室の扉を押し開けた瞬間、鼻の奥を刺すような消毒薬の匂いがぶわっと押し寄せる。

ベッドに横たわっているのは高齢の男性。

そして、その枕元で執事らし...

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