第120章 私を選べ

スローン視点

ブランドン教授は失望を隠しもせずケイラを見つめ、ゆっくり首を振った。

「スローンがここに立っているのは、才能と努力で勝ち取ったからだ。君みたいに、ただ駄々をこねるだけの人間とは違う」

その言葉が、ケイラの怒りに火をつけた。

彼女の視線が室内を荒々しく走り、やがてレイノルズさんの前に置かれた、古風な茶器へと吸い寄せられる。

「――あああっ!」

甲高い叫び声。ケイラは突進し、卓上の茶杯を掴み上げると、床へ叩きつけた。

「パリン!」

静かな店に、割れる音だけが鋭く響き渡る。

レイノルズさんが日頃いちばん大切にしていた杯は、一瞬で粉々になった。

レイノルズさんはゆっ...

ログインして続きを読む