第123章 イザベラの姉

スローン視点

ジャレッドはケイラの手を振りほどきもしない。ただ、最初から彼女など視界に入っていないみたいに、階段の上にいる私へ視線を上げた。

底なしの瞳に、ふっと柔らかな色が滲む。さっきまで彼にまとわりついていた女は、空気と同じ――いや、空気以下だと言わんばかりに。

彼は迷いなく段を上がり、私の前で足を止めると、自然な動きで腰に腕を回した。引き寄せられ、私はその胸の内側にすっぽり収まる。

「寒くないか」

低い声。気遣いだけが滲んでいて、背後で怒りに震えるケイラの存在など、完全に無視している。

その態度が、ケイラの最後の理性を焼き切った。

「ジャレッド! 私の話、聞こえてないの!...

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