第124章 ハリソンが来た

スローン視点

男は私の腕を掴み、外へ引きずり出そうとした。

「放して」

冷たく言い放った、その瞬間。

暗がりから背の高い影が二つ、すっと躍り出た。ジャレッドが密かにつけていた護衛だ。動きに無駄がない。片方が男の肩を押さえ、もう片方が私の手首から指を一本ずつ剥がすように外していく。

両腕を背中でねじ上げられ、男は痛みに喚き散らした。それでもなお、こちらへ唾を飛ばす勢いで怒鳴る。

「覚えてろ! 覚えてろよ! 俺がいなきゃ、お前は一生、自分がどこから来たか分からねえんだぞ!」

護衛は表情ひとつ変えず、男をそのまま引きずって外へ放り出した。

私は捻られて痛む手首をさすりながら、静かに...

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