第126章 マリア院長の過去

スローン視点

ハリソンの視線が、包帯を巻いた私の手の甲に触れた瞬間、ほんのわずかに止まった。けれど次の刹那には、あの涼やかで穏やかな表情へと戻っている。

「スローン、こっちこっち!」

ブランドン教授は私を見つけるなり、目を輝かせて大きく手を振った。

私は腹を括って歩み寄り、教授の隣に腰を下ろす。

「レックスさん、さっき私に最近の自慢の研究はないのかって聞いたでしょう?」

教授は私の肩をぐいっと引き寄せ、胸を張った。声には誇らしさと、隠しきれない自慢が滲んでいる。

「こちらが私のいちばん自慢の弟子です。才能は抜群、臨床の手技も一級品。いずれ医学界で確かな地位を築きますよ!」

あ...

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