第128章 口にしないで

ハリソンは小さく首を振り、礼儀正しい口調のまま、どこか人を寄せつけない距離を滲ませた。

「ご厚意はありがたいですが、お気遣いなく。正直に言えば、ありふれた女性では、興味が湧きません」

声は驚くほど平坦で、抑揚ひとつない。なのに、長く上に立ってきた者特有の矜持だけが、硬質な光として残っていた。

――その言葉が終わった瞬間。

何の前触れもなく、彼の視線がまっすぐ私に落ちた。

隠しきれない熱。ひそやかで、危ういほどの執着。皮膚の下まで覗き込まれるみたいで、背筋がぞくりと粟立つ。

胸の奥がひゅっと縮み、呼吸のリズムが乱れた。

侵略的、としか言いようがない眼差し。異様なほどの集中が、私の...

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