第135章 冷戦

スローン視点

彼は髪を拭いていなかった。雫が冷たい顎のラインを伝い、パジャマの襟元に落ちて、小さな濃い染みができる。

伏せたままの目が、何を考えているのか分からない。近寄るな、と言わんばかりの低い気配が部屋に沈んでいた。

「熱いうちに飲んで。胃が楽になるから」

私は近づいて、椀を彼の前に差し出す。

ジャレッドはちらりと私を見た。相変わらず、胸の奥がざわつくほど静かな目。

何も言わずに椀を受け取ると、首を反らし、熱いスープを数口で飲み干した。

「……もう少し飲む?」

空になった椀を受け取りながら、探るように訊く。

「いらない」

冷えた声。余計な言葉はひとつもない。彼はそのま...

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