第151章 ケイラに失望する

ハリソンは立ち上がり、水の中で崩れ落ちたケイラを見下ろした。整った顔には、感情らしいものが一切浮かんでいない。

「状況は深刻です。教授はご高齢のうえ、強い刺激を受け、さらに氷水に浸かった。心拍は弱く、このままでは命に関わります」

「……うそ……そんな……」

雷に打たれたみたいに、ケイラの顔から血の気が引いた。瞳の奥に残っていた最後の希望が、音もなく砕け散る。

「すぐに教授を運べ!」

ハリソンは彼女を一瞥もせず、背を向けて使用人に低く命じた。

護衛と使用人が慌ただしく担架を運び込み、息も絶え絶えに見えるブランドン教授を慎重に乗せると、反対側の廊下へと急いで運んでいった。

ガラス越...

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