第46章 夜話

スローン視点

骨ばったあの手は、いまや血と肉でぐしゃぐしゃだった。指の関節のあたりがひどく裂け、ぷつ、ぷつと赤い雫が滲んでいる。

その少し先の壁には、はっきりとした凹み。縁は蜘蛛の巣みたいなひび割れが走っていた。

胸の奥を、不意に何かが――軽く、それでいて確かに――叩いた気がした。

私は何も言わずに背を向け、バスルームへ入る。鏡裏の棚から救急箱を取り出した。

彼のそばへ戻るとしゃがみ込み、蓋を開ける。消毒液を含ませた綿球をピンセットでつまみ、傷口にそっと触れた。

彼はようやく反応を示した。ほんの僅か、身体が震える。顔を上げ、充血した目で、瞬きもせずに私を見つめてくる。

「どうし...

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