第71章 宝石

スローン視点

ジャレッドは珍しく苛立った様子を見せなかった。受話器を握ったまま、低い声で短く応じる。

「祖母さん、分かった」

通話を切ると、彼は私のほうへ歩み寄ってきた。目を合わせた瞬間、胸がきゅっとなる。――こんな柔らかい眼差し、今まで見たことがない。

「祖母さんが、お前に時間があるときでいいから顔を見せに来いって」

日々は、奇妙なほどの静けさと、甘いぬくもりの中で過ぎていった。

ジャレッドは、まるで別人みたいだった。

不器用なのに、嘘のない優しさで包まれるたび、凍りついていたはずの心が少しずつほどけていく。――そして、いまさらだと分かっているのに。私たちの未来に、また勝手な...

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