第79章 好きだ、ジャレッド

スローン視点

彼のキスに頭がくらくらして、甘い熱に溺れかけた、そのときだった。

車のボンネットは思った以上につるつるで、身体がすべって――次の瞬間、私は制御を失い、地面へ落ちていった。

「……っ!」

悲鳴が漏れる。けれど、痛みは来ない。

代わりに聞こえたのは、ジャレッドが短く息を呑む声。

彼は反射的に私を掬い上げたが、勢いまでは殺しきれず、私たちは湖畔の草地へ、もつれるように転がり落ちた。

どさっ、と鈍い音。

彼は私を抱え込むように庇って、背中から地面に叩きつけられたらしい。喉の奥で、くぐもった呻きが落ちる。

夜空では花火が相変わらず咲き続けていて、その光が、私たちの間抜けな...

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