第6章

深秋の白峰村は、燃えるような紅葉に包まれていた。年に一度の山の神祭りまで、あと一ヶ月。

私は太郎の家の窓辺に立ち、神官の木村が神社の前で村人たちに祭壇の設営を指示しているのを、冷ややかに眺めていた。

この五年で、私の復讐リストからは七つの名が消えた。次は、残りの者たちの番だ。

「今年の山の神祭りは盛大に執り行わねばならん!いかなる手違いも許されんぞ!」

木村の張り上げる声が、澄んだ秋空に響き渡る。

私は口の端を微かに吊り上げた。そう、今年は確かに、特別な祭りになる。

それからの一ヶ月、死神の歩みは速度を増した。

まずは神官の木村。彼の愛飲する酒に幻覚作用のある薬...

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